と、いうわけで逢坂です。
12月6日に行われました出版記念パーティーに逢坂もひっそりと混じっておりました。
遅ればせながらレポートをお届けいたします。今年のコリは今年のうちに!
晴天に恵まれたの初冬の午後、会場となった上野の東京芸大の学食「大浦食堂」にはゲストの皆様をはじめ、多数の読者の皆様と総勢60余りのかたがたが集まりました。
会場にはいるとまず目に入るのは、渭東節江さんの作品展示、本のイラストの原画をはじめ、表紙のオブジェの実物、おっぱいTシャツなるものetc・・・アートは何のことかわからない、とはいえ、もの言いたげな雰囲気は伝わってきます。
総合司会の鍛冶良実さんの開会の発声ではじまったパーティーの乾杯は、文化人類学者の砂川秀樹さん。温かい祝辞とともに乾杯、司会の鍛冶さんの「ここに集まった人がこの機会に皆がつながりを持てる会となりますように」との言葉でパーティーは、本格的にスタートしました。
大浦食堂特製のパーティー料理を堪能しながらのしばしの歓談のあと、浜野佐知さん(映画監督)澁谷知美さん(ジェンダー研究者)岡井友穂さん(カタライザー)中村美亜さん(著者)、司会の須藤久美子さん(インパクト出版会)が勢ぞろいしクロストーク開始です。
トークは、『クィア・セクソロジー』で語られなかったことから口火が切られ、職場で肌で感じる性にまつわる所感と『クィア・セクソロジー』の可能性について、もっと豊かな関係性への提起、職業を通じて「性」についての問題をいかに解きほぐすか、性の現状をどう変えて行けるのか、さまざまな話が交わされました。その後で、時間が押していたので少数の方でしたが、フロアの方にも貴重なご発言をいただきました。
このあと、アート担当の渭東節江さんの展示作品の解説があり、再び歓談の時間となりました。この間、アートによるコミュニケーションを専攻している学生の下川勇也さんが会場でお客様に似顔絵パフォーマンスをしてくださいました。
さて、今度はフロアトークということで、二名のゲストの方々にお話を伺いました。
最初は鶴田桃エさん(NABA共同代表)普段活動のフィールドにしている摂食障害やアルコール依存症の集まりと、今回のパーティーの違いについての新鮮な驚きや、自らのことを精一杯語ってくださいました。二人目は北原みのりさん(ラブピースクラブ代表)著者との一コマをユーモアを交えてお話くださいました。
会も、クライマックスを迎えパフォーマンスの高橋フミコさん登場です。「本の中では、美の規範におさまらない自分の美をクリエイトしていく人として書かれていますが、この頃はちょっと変化が見られます・・・」 などと気になるコメントを。
パフォーマンスは、グレイッシュトーンのキュートなワンピースに身を包んだ高橋さんが、まるでボールのような鮮やかな黄色のザボンを脇に抱え登場(このコントラストが美しい)ザボンをボールのように戯れているかと思うと、なぜだか愛しそうに触ったり撫でたり。そうするうちに、包丁でザボンの皮を剥いていく。剥かれた皮はリボンのように残っていく。くるくるくるくる・・・白い果肉を覆うわたが表れそれでも、まだ剥かれていく・・・汁がしたたり、黄色の果肉がまだまだ剥かれ、包丁でつぶされ・・・丸いザボンはあとかたもなくなり、痕跡だけを残しパフォーマンスは終わりとなったのでした。
中村美亜さん曰く。「自分にとって言葉は大事だが、それと同じくらい言葉になる以前の「感じる」ことが大事だと思っている。今回、このパーティーでは、言葉以外の表現をその場で共有することをやってみたかった。それができてうれしい」
3時間のパーティーについてすべてをレポートすることはできませんが、いろんな人があつまり交流できたひとときだったと思います。このような出会いによって、今まで考えてきたことに新しい視点が生まれ、それがコリかたまった考えを解きほぐすきっかけになっていくのでは、と思います。
特効薬では、ないけれど、つながることでじわじわ効いてくるのではないでしょうか。
参加されたみなさん、そして、今これを読んでいるみなさん。
今年のコリはほぐせましたか?
これまでのご支援、本当にありがとうございました。クィア・セクソロジーブログまだまだ続きます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、よいお年をお迎えください。